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本日から、品質部門配属になりました 第13回 『社内への標準化推進』(その2)   (2020-08-17)

2020.08.17

前回と今回と次回の3回にわたり,「社内への標準化推進」を解説しています.
 
前回は,「2.標準化の狙い,意義」を解説しましたが,今回は「3.標準化の対象」や「4.推進方法」(途中まで)を解説します.
 
3.標準化の対象
 
(1)社内標準化の対象
社内標準化は,社内の業務の標準化により,その企業が生み出す製品サービスの
品質を高め,コスト・生産性や環境や安全にも寄与するものです.
 
その標準化の対象は以下の2つがあります.
  1)管理技術としての業務運営手順(メインプロセス+サポートプロセス+マネジメントプロセス),
    やそれらを活用するための手順(例えば,QC工程表)
  2)固有技術としての知識ベース(暗黙知の形式知化)を活用・充実のための手順やシステム
 
(2)社内標準の種類(名称)
 
標準の種類(名称)としては,企業によって様々ですが,以下に製造会社における例を示します.
 
□規定(規程): 主として組織や業務の内容・手順・手続・方法に関する事項について制定されたとり決め.
 
□規格: 主として品物またはサービスに直接・間接に関係する技術的事項について制定されたとり決め.
 
□仕様:材料・製品・工具・設備などについて,要求する特定の形状・構造・寸法・成分・能力・精度・性能・製造方法・試験方法などを定めたもの.
 
□技術標準:工程ごと,あるいは製品ごとに必要な技術的事項を定めたもの.
 
□作業標準:作業条件,作業方法,管理方法,使用材料,使用設備,その他の注意事項などに関する基準を定めたもの
 
□QC工程表(QC工程図):製造品質が設計仕様に適合しているか確認するために,各工程毎に管理項目,管理方法を明らかにした表(図)
 
□(作業)要領,手順書:各業務について,それを実施するときの手引き,参考,指針となるような事項をまとめたもの
 
(3)社内標準の体系化
これら各種の標準については体系化が必要で,以下の内容を含む「社内標準化体系 基本規定」といったものを定めることが望ましいでしょう.
  1) 社内標準の分類体系(系統図や一覧表で示す)
  2) 各標準の名称・分類記号・その内容
  3) 作成・制定・改廃・配布・保管に関する業務手続
  4) 各標準の制定・改廃の責任者
  5) 標準書の基本的な様式・体裁・書き方・整理番号等
 
これらの体系は,その企業独自のもので良いが,その企業の製品・サービスや組織の実態にあったものであり,上記3),4)に関する手続きは,機動的な運用の為に簡素化しておくことが求められます.
 
4.標準化推進
 
(1)標準化推進の組織的運営
 
標準化を推進するには,全社横断機能として,「標準化委員会」等を作って,全社的に以下のように進めてPDCAを回すことが求められます.
 
■Plan:「標準化委員会」等の推進体制の確立,標準化計画(標準化の対象範囲,優先順位,実施責任者・メンバー,時期など.標準化教育計画も含む)の立案
 
→ここでは,社内で有すべき業務標準(文書)体系を明確にし,その体系にも基づいた全社的な標準化・文書化推進計画を立案します.
したがって,「標準化推進委員会」では部門横断的な全部門から構成されるべきです.
また,業務標準体系は単に文書を整理した一覧ではなく,その会社の業務知識体系でもありますから,一体全体,我々の会社は良質な製品・サービス提供においてどのような業務が必要か,その業務をどの程度のレベルで記述しておくべきかという考察,検討が大事です.
その上で,いきなりすべての業務に関して標準化・文書化は難しいでしょうから,提供する製品・サービスの品質への影響度・重要度,現従業員の業務実施能力の程度,標準に起因する不具合・ミスの発生状況,文書化・標準化に投入できる経営資源とその制約などを基準として優先順位をつけて推進計画を立てることになるかと思います.
さらに,関連する部門がその作実施責任者・メンバーになります.また,その業務の実施には関与しないが,その業務の受け手である部門の方もレビューの役割として入れておくことが良いと思います.
 
→なお,ここでいう標準化計画においては何も業務の標準化・文書化だけでなく,近年著しいIT技術による業務の代替化・自動化等(新規IT導入プロジェクト)も,その一手段として考慮すべきです.
 
■Do:実施指示・支援,進捗管理,標準・作業手順類の一元管理

→標準化・文書化すべき標準(文書)は多岐にわたりますから,各関連部門がその標準(文書)を作成します.また,「標準」の一般的な書き方を示ししてもよいでしょう.
一般的な書き方・作法を示した上で,ポイントは,以下の2点でしょうか。
・その業務実施のベースとなっている固有技術が何であるかをきちんと明確にしており,その固有技術が確実に反映された標準にすること
・作成された業務標準が,実施者に確実に理解され実施されるように,実施者の力量レベルを明確にし,その力量にあった記述の詳細度にしておくこと
→作成した標準・文書は,組織として登録,承認,周知,維持,検索・閲覧できるように一元的管理をしておくことも大事です.
これにより,個人が勝手に改変することを防ぐばかりか,使おうと思った人がすぐにその標準・文書を探し出して参照し,その通りに実施できるような環境を整備できます.
 
■Check:標準化状況の評価
 
→当初のPlan,すなわち推進計画に沿って標準化・文書化が着実に進んでいるかどうかをチェックするとともに,そのパフォーマンスとして標準通りの業務実施率,業務の効率化や不具合発生状況の改善効果などを確認します.
また,期の途中で経営環境や業務実施環境が大きく変わる可能性もあるため,当初作成した推進計画を変更・更新する必要があるかどうかも検討します.
 
■Act:標準化計画や推進体制の改善
 
→改善には,個別の標準・文書の変更,標準・文書を作成する体制の変更(メンバー追加・変更),そもそも標準化推進計画の変更もありえます.
期末レビューでは,当初の標準化推進計画全体の達成状況を評価し,未達の原因分析と次の年度計画への確実な反映が必要だと考えます.
 
以上で今回は終わります.
この続きは次回に解説します.
                              (松本 隆)

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