超ISO企業研究会

最新情報

メルマガ⑨ 本日から、品質部門配属になりました

本日から、品質部門配属になりました 第8回 『品質保証体系』(その4)   (2020-07-06)

2020.07.06

全5回に分けてお届けする「第2話 品質保証体系」についての4回目、佳境に入ります.
 
4.品質保証体系のバリエーション(種類)
読者の皆さんの会社でもそうであるように,品質保証体系は会社によって必要となる経営機能や活動,その活動の詳細度,流れなどが異なります.“いろいろある”という理解だけに留めず,ここでは品質保証の在り方や重点を変えるものが何なのかを考察したいと思います.その主要な項目として,以下があるように思います.
・製品のタイプ
・サプライチェーン上での事業範囲
・開発難易度
・製品の提供形態
・取引形態
 
「製品のタイプ」とは,上で既に述べた自動車や建築,ソフトフェアのことです.飯塚会長から教えてもらったのですが,ISO 9000シリーズでは製品を組立製品,プロセス製品(製品仕様・プロセス仕様が混然一体),ソフトウェア,サービスと4つの製品カテゴリーに分類して考えていたようです.ある一つの組み立て製品の中にソフトフェアが組み込まれたり,何らかのサービス機能を有することもあり,いかなる製品にも比率の相違はあれ,これら4つすべての側面が含まれているとも言えますので,なかなか分類が難しいのですが,いずれにしても,提供する製品のタイプによってポイントとなる経営機能が変わり得ます.
また,その組織の「サプライチェーン上での事業範囲」によっても変わり得ます.自動車の例で言えば,グループ企業内の生産機能を主に担う組織であれば,マーケティング,研究開発,商品企画等の経営機能はグループ本社が持っていることが多いので,これらを除いた経営機能を有していることになりますし,商品企画の基本設計部分は本社がやるが,詳細設計は各個別の拠点で担う場合もありえます.
 3番目の「開発難易度」の違いとは,製品開発の技術的な難易度,検討すべき範囲の広さ・複雑さとともに,開発体制の規模の大小,外注の多さ・依存度の高低の程度などのことであり,これによっても品質保証のポイントが変わります.同じく自動車の例で言えば,同じ製品系列でも自動車でのフルモデルチェンジの場合とマイナーチェンジの場合とでは,技術的な難易度や開発体制の規模が大きく異なるため,それぞれに対応した異なる品質保証体系図を作成することがあります.また,構成部品のうち,外から仕入れている部品点数が5,6割を超えるような製品の場合には,外注・調達機能が品質保証上,極めて重要な経営機能となりえます.
 4番目の「製品の提供形態」の違いとは,ある製品を提供してそれで終わりという場合と,その後の製品活用のための支援が品質保証上で重要な場合,または旅館や病院のように顧客と提供組織側の接点を繰り返すことによって製品を提供するような場合を指します.例えば,ソフトフェア製品の多くは,当該ソフトフェア納入後の保守・メンテナンスサービスの迅速かつ適切な対応の良し悪しが顧客満足に大きく影響しますし,また旅館のようにサービスを提供する従業員と顧客が同じ環境下で共存しているため,サービス提供の接点での従業員と顧客とのひとつひとつのやり取り及びそのやり取りの一貫性が,その旅館に対する顧客の品質評価に大きく関わってきますので,品質保証のポイントは変わります.
最後の「取引形態」とは,B to BとB to Cを指します.一般的に,BtoBのほうが,顧客が不特定多数ではなくある特定の企業であるため,顧客の使用環境・方法が明確にしやすく,要望や品質の判断基準が合理的であると言われています.したがいまして,顧客要望に合致した製品の仕様化という活動の品質保証上の相対的な重要度は低くなり,その製品仕様通りに安定的に大量生産できるかどうか(重大な市場クレームに至らないこと,顧客サイドに不良が流出しないこと)が品質保証上の重要な側面となりえます.
 
5.品質保証体系の構築・維持・改善で品質部門が担うべき役割
上記2で品質保証体系の定義を,3で品質保証体系の作り方と記述すべき内容を,そして4では品質保証体系の種類について解説しました.これらを踏まえて,品質保証体系の構築・維持・改善において品質部門が担うべき役割を示します.その前に,品質部門が担うべき性格が異なる4種類の役割として,
(1)体系構築・管轄
(2)主担当ライン業務
(3)事務局的ライン業務
(4)経営参謀的業務
 
がありました.品質保証体系の構築,維持,改善において品質部門ばかりでなく,全部門による関与が必要不可欠ですが,とりわけ品質部門が担うべき役割をこれら(1)~(4)ごとに解説したいと思います.ただ,品質保証体系の構築という業務自体が品質部門の管轄であり,かつ主担当業務でもありますから,(1)と(2)を区別しないでおきます.
 
この先また長くなりますので、今週はここまでといたします.
次週でいよいよ本第2話「品質保証体系」も完結となります.
 
                          (金子雅明)

一覧に戻る