超ISO企業研究会

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活動報告 超ISOメンバーによるつぶやき 第2弾 第8回 福丸典芳(その1)

2019.01.12

 

 

明けましておめでとうございます。皆さん、新しい年を迎えて新たな気持ちで活躍されていることと思います。

今回は、昨年多くの大企業で発生した品質不祥事の背景とその対応法についてつぶやいてみたいと思います。

 

本題に入る前に、昨年ダラス経由でオーランドに旅行に行ったときに、オーランドで荷物のうち1個が搭乗した便に乗っていませんでした。

これは私だけでなく30人ほどもいました。

目の前の荷物カウンターを見ると80個近くのスーツケースが二つに分けられていました。

1日前と当日分の荷物が荷物カウンターを防ぐほど残っていました。

さすがいい加減なアメリカだなと思いました。

40分以上たった時に係員がやっと説明を開始し、理由は荷物が多くて乗せられなかったので、次の便になるかもしれないとのいい加減さでした。

これがアメリカのサービス品質の悪さではないでしょうか?

 

 

 

 

1.はじめに

 

昨年から今年にかけて、大手企業である自動車業界、建設業界などにおいて重要な品質データの改ざんなどが大きく報道されています。

これは企業の品質保証体制が空中分解していることが原因であると考えられます。

その根幹は、品質保証の最終責任者は経営者であることを忘れているのではないでしょうか。

このような品質データの改ざんを行えば顧客や社会から非難を受け、企業の信頼を損なうだけでなく、利益の損失になるということを経営者だけでなく、働く人々も認識する必要があります。

 

2回に亘って、品質不祥事の背景とその対応法についてつぶやきますので、品質とは何かという原点に戻って考えてみましょう。

 

 

 

 

2.そもそも品質とは何か・・

 

皆さん、品質の語源を考えてみたことはありますか?

 

(1)「品」とは何か・・・

人や物にそなわっている、好ましい品格・品質のことを意味しています。

では、「品」の成り立ちを考えてみましょう。そもそも「品」とは、器の象形(いろいろな器物の象形から、とりどりの個性を持つ「しな」を意味する)を示しています。

 

(2)「質」とは何か・・・

そのものの良否・粗密・傾向などを決めることになる性質、生まれながらに持っている性格や才能、素質、資質、又は本体、根本、本質のことを意味しています。

では、「質」の成り立ちを考えてみましょう。

そもそも「質」とは、曲がった柄の先に刃を付けた手斧×2の象形(価値として釣り合っている)、および小安貝(貨幣)の象形(金銭に相当する品物)を示しています。したがって、質屋とは、物の価値に見合ったお金で物を預かるという仕組みになっています。

 

(3)「品質」とは何か・・・

(1)と(2)から分かるように、「品質」とは人や事物にそなわっている気高さや上品さが価値として釣り合っていることであり、もの・サービス・仕事の価値に関係しています。

このため、人に関して言えば、質の高さが認められると資格(qualification)が手に入ることになります。

今回の品質不祥事から分かることは、企業が顧客に提供する製品の品質とその価値にずれがあるということを認識していないと考えられます。

ここで大切なことは、顧客は、製品品質は仕様通りに出来上がっていると思っているので、その価値にお金を払っているのです。

決してものを買っているのではないということを認識する必要があるのではないでしょうか。

この考え方の欠如が問題を引き起こしていると考えられるので、トップから社員に至るまで全ての人々が品質の原点を理解することが大切でしょう。

 

 

 

 

3.経営の目的は何か・・・

 

経営の目的は、顧客が選ぶ製品・サービスを提供し、顧客からその対価としての代金をいただき、さらに高付加価値製品・サービスを提供し続けて、持続的な成功を収める(会社がつぶれないで将来も繁栄する)ことではないでしょうか。

このような活動を継続することで企業としての利益が得られることになります。

ところが、利益を先に持ってくると、顧客に製品・サービスの仕様が分からなければ品質を気にする必要はないという意識が蔓延することで、品質不祥事が発生する「リスク」が高まることになります。

このことが結果として、品質優先という考え方の欠如につながるのではないでしょうか。

 

 

 

 

4.品質優先の欠如の背景には何があるのか・・・

品質優先の考え方の欠如の背景には、次のような行動があると思います。

 

・品質よりも売上を優先する

⇒経営者の経営姿勢をみて社員が行動する

 

・顧客が分からなければ、検査データのごまかしができる

⇒顧客は製品仕様を評価できないという考えを持っている

 

・もともと品質特性のマージンが大きいので、この程度の数値では大きな問題にはならない

⇒我々の技術は最高のものだという自負がある

 

・国家資格がなくてもある程度の技術があれば仕事はできる

⇒国家資格はなくても仕事はできるので、誰かが資格を持っていれば十分であると考えている

 

このような考え方のベースにあるのは、人間のアクシデントに対する品質意識が欠如しているからです。

このような状態になると、人間は「一定の目標に到達するために」問題が発生した場合、要求事項を無視する、納期に合わせるなどの行動をします。

その背景には例えば、次のようなことが考えられます。

 

①この程度の品質の悪さでは顧客はわからないので、顧客に承認を得ずに特採にする、データを修正する

→ 要求事項を無視して、顧客に提供する(顧客の受入検査はない)

 

② 検査で不適合発生時、納期に間に合わないので、データを修正する

→ 仕様を満たしていないことを承知で、合格にする(顧客の受入検査はない)

 

また、昨年から品質不祥事が発生しているにもかかわらず、自社では問題がないのかを調査するという意識が欠けていることも問題と思われます。

 

 

 

 

5.品質不祥事が利害関係者に与える影響は・・・

 

今回の品質不祥事を起こした企業の対応を見ると、直接的な顧客しか目に入っていないことが原因の一つでもあると思われます。

このため、品質不祥事が発生すると、利害関係者に対して次に示すリスクがあるということを認識させるための事業継続に関するリスク教育が大切ではないでしょうか。

当然、トップも含めた意識改革が必要でしょう。

 

  • 顧客:改修に伴う損失、事業継続不可
  • 社員:損失拡大に伴う給与低下、事業縮小に伴う退職
  • 株主:株価暴落による損失
  • 監督官庁:社会からの監督責任追及
  • 銀行:資金の回収不可
  • 社会:企業活動の認知度の低下

 

(福丸典芳)

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