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ここがポイント、QCツール 第21回 新QC七つ道具(4):マトリックス図法 (2017-3-6)

2017.03.06

 

新QC七つ道具の第4回は,マトリックス図法を取り上げます。

 

 

■□■ マトリックス図法 ■□■

 

・マトリックス図法とは,手法の目的

 

マトリックス図は,「行に属する要素と列に属する要素によって二元的配置にした図」(文献1)を言います。

マトリックス図法は,多元的思考によって,問題を明確にしたり,要因と結果,要因と他の要因などの複数の要素間の関係を整理したりするための手法として有効です。

 

代表的なマトリックス図には,その形態からL型マトリックス図,T型マトリックス図,X型マトリックス図があります。

そのほか,Y型マトリックス図,C型マトリックス図など多様な形態で活用されています。

 

 

 

 

・マトリックス図法の実施手順の本質

 

マトリックス図法を使用するときの要点を次に例示します。

 

・二元的に配置された行列の2つの要素の関係性を深く考察し,問題の所在や形態を探索します。

・2つの要素間の交点に着眼して着想を得て,問題の解決を促進します。

・要素間の関係性を符号(例えば,◎○△など)で表すと目で見て分かりやすくなりますが,主観的な評価が過ぎないようにします。

・観察などの実態や経験をもとに要素間の関係評価の信ぴょう性を高め,多くの関係者が合意できるマトリックス図にします。

 

 

 

 

・マトリックス図法の適用場面と得られる効用・メリット

 

マトリックス図法の活用によって得られる効用・メリットを次に例示します。

 

・二元的な配置の図から,問題の所在や形態の探索,問題解決・課題達成の着想を得ることができる。

・要素間の関係が明確になり,全体の構成を一覧することができる。

・いくつかの二元的な配置の図を組み合わせることにより,多元的な視野から問題の所在を明確にすることができる。

 

 

 

・他の手法との関係-特に新QC七つ道具

 

系統図法を用いて具体的な方策を展開していくとかなりの数になります。

このような場合,方策の重みづけ,役割分担などをマトリックス図法によって整理することができます。

 

品質機能展開(QFD)では,マトリックス図を種々組み合わせて分析や考察が行われています。

例えば,L型マトリクス図を使って,顧客・社会のニーズ・期待を展開した要求品質と品質特性との対応関係の検討などに使われています。

 

 

 

 

・実施・運用時の注意・留意事項

 

マトリックス図法を活用するうえでの留意事項を次に例示しますので,チェック項目として利用してください。

 

・マトリックス図法を用いて実施する課題(目的,テーマなど)が明確ですか?

・検討すべき事象(例えば,方策評価,役割分担,現象・原因・対策など)を明確にし,マトリックス図の行列に配置する要素を決めていますか?

・課題や検討すべき事象に合ったマトリックス図の型(例えば,L型,T型,X型など)を選んでいますか?

・行列の各軸に配置する要素を決め,それぞれの要素が持っている重要な項目を抜け落ちなく拾い出していますか?

・各々の要素の項目間の関連の有無,度合いなどの交点の表示は納得できますか?

・◎○△などの符号で表した関連の強さを事実・データに基づいて判断していますか?

・2つの要素間の交点の着眼点から着想を得て,結論を導いていますか?

 

 

次回は,アローダイアグラム法,PDPC法,マトリックス・データ解析法を取り上げ,手法の定義,目的,適用の場面・効用・留意事項などを解説します。

 

 

 

■参考文献

  1. JIS Q 9024:2003「マネジメントシステムのパフォーマンス改善-継続的改善の手順及び技法の指針」
  2. 「やさしい新QC七つ道具」,新QC七つ道具研究会編,日科技連,1984
  3. 「全社的品質管理推進のための管理者スタッフの新QC七つ道具」,水野滋監修,日科技連,1979

 

村川賢司(前田建設工業)

 

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