超ISO企業研究会

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活動報告 超ISOメンバーによるつぶやき 第4回 福丸典芳

2016.05.02

 

 

リスク対応の必要性               福丸典芳

 

 

私たちの仕事や日常生活は、常にリスクと隣り合わせています。

このため、問題が起きないようにリスクを考慮した活動をする必要がありますが、果たしてリスクへの対応ができているといえるでしょうか。

 

例えば、小学校の近くを車で通行する際には、子供の飛び出しがあることを予想して徐行する、通勤電車の遅れを予想して、10分早く家を出ることもあります。

また、仕事ではお客様への報告書の提出期限が1週間先であっても、報告時期が早くなることがあり得るので早めに使用を作成することもなります。

このような活動をしていれば問題の発生が防げるはずです。

 

ISO9001:2015ではリスクに基づく考え方が取り込まれています。

このため、品質マネジメントシステムを計画する段階でリスクを考え、それに対応することが大切になります。

この考え方は、今に始まったものでなく、品質管理では未然防止という考え方で対応してきていました。

しかし、リスクという言葉に翻弄されている人が多いというのは残念です。

 

 

以下にリスクへの対応の私の経験をつづります。

 

熊本地震が発生し、大きな損害がでています。

この地震発生によって2011年の東北地方太平洋沖地震を思い出しました。

私はこの日仙台市内でセミナー講師をしており、交通遮断により、東京へ戻るのに2日かかりました。

この地震の経験からリスクへの対応をどのようにするかを考えてみます。

 

講義中に地震が発生し、ビルがギシギシとうなったため、受講生(医療関係者)はすぐに机の下に身を伏せました。

この様子を見て、リスクへの対応が素早いのは、さすがに日ごろの訓練が行き届いているなと思いました。

また、入口近くの人が避難通路の確保のために、ドアを開けたことに感心しました。

さすがに仕事柄、リスクへの対応を即座に行動できるということは素晴らしいことと思いました。

 

 

 

●リスクへの対応の視点

 

・地震が発生した場合には、安全を確保すること。

・ビルの中では揺れがおさまるまであわてて動かないこと。

 

仙台駅が閉鎖されていたので宿泊場所を探すこととしました。

駅近くのホテルを2か所訪問しましたが、停電の影響や水の配管が破損したため、宿泊はできないと言われました。

しかし、近くにいた人が昨日宿泊したホテルに電気がついているとの情報を得て移動したところ、ロビーに多くの人が避難していました。

宿泊できるかどうかを確認したところ、システムがダウンしており、本日宿泊予定の人を優先しているので、空きがあるかどうかわからないとのことでしたので、事情を話してホテルから毛布を借りてロビーにいることができました。

 

 

 

●リスクへの対応の視点

 

・交差点の信号が停電のため車で混雑するため、移動にはタクシーは使用しない方が早く目的地に到着する。

・余震でビルの壁、ガラスなどの落下物を避けるために、歩道を歩く際には、ビルから離れて歩く。

・暗いところでは携帯電話のライトを利用する。

 

近くのコンビニで水を何とか確保し、食べ物は既に売り切れていましたので、スナック菓子を買ってきました。

夕方になって、ホテルから暖かいスープを出してもらって助かりました。

夜になって、ロビーから5階の宴会場に移動することができ、暖房は停電のためついていませんでしたが、椅子に座ってゆったりすることはできました。

その後、おにぎりが配られてとても助かりました。

この間も10分程度おきに余震があり、いつも体が揺れて、船に乗って揺れているような感じでした。

 

 

 

●リスクへの対応の視点

 

・飲料水と食べ物の確保

・椅子に座っているので、エコノミック症候群にならないように時々歩いて、屈伸運動をする。

 

このホテルは非常電源設備が備わっていましたので、パソコンと携帯電話の電源の心配はありませんでした。

東京に移動方法を考え、まず思いついたのが高速バスでしたが、バス会社に電話が通じないので、高速バスセンターに出かけて運行状況を確認したところ高速道路が閉鎖されているのでバスは運行中止になっていました。

次に考えたのがレンタカーで、ホテルの近くのレンタカー会社に出かけましたが、2社ともコンピューターシステムがダウンしているので、貸し出しはいつになるかわからないとのことでしたので、あきらめざるを得ない状態でした。

 

 

 

●リスクへの対応の視点

 

・ホテルは設備がそろったホテルを選ぶ。

・非常時に備えて日ごろから足腰を鍛えておく。

・非常時に備えて部屋からいつでもでられるようにドアをあけておく。

 

翌日東京に帰る方法をインターネットで検索しました。

ヤフー知恵袋では、交通手段が確保できていないので動かないほうが良いという意見とバスで山形に行き新潟に行けるという情報を得ました。バス会社に電話したところ、午前中に3便のバスの運行があるとの情報を得て、山形まで移動してレンタカーで新潟に移動するか、鶴岡にバスで移動して羽越本線で新潟に移動するかの二通りの案を考えて移動することとしました。

なお、移動中にどのようなことが発生するかわからないので、パソコンと携帯電話の充電は十分しておきました。

また、移動に当たっては現金が必要と考えて、銀行のキャッシュカードがたまたま使えたため現金をおろしました。

山形のバスターミナルで新潟行きのバスを確認したところ、3日先まで満席と知らされたので、この交通手段はあきらめることとしました。

次に山形駅に行き、羽越本線の運行状況を確認したところ、酒田からは新潟方面は運行しているとの情報を得て、バスターミナルに酒田駅行きを確認したところ、多くの人が並んでいてとても酒田まではいけそうもないことがわかかりました。

他の交通手段としては考えたのがレンタカー又はタクシーでした。

レンタカー会社に行きましたが、駅レンタカーは休業、1社は車がない、もう1社は県外及び県内乗り捨てができないとのことでしたので、これもあきらめました。

そこで最後の交通手段として考えたのがタクシーで新潟に移動することでした。

新潟まで行けてなおかつカードが使えるタクシーがなかなか来なくて、30分以上待ってやっとタクシーに乗ることができました。

これで今日中に帰れるという確信を持てました。

この日の移動時間は約14時間でした。

 

 

 

●リスクへの対応の視点

 

・パソコンと携帯電話の充電をする。

・情報はインターネットの方が早いのでこれを活用する。

・カードが使用できない場合があるので、出張時は現金をいつもよりも多く持っておく。

・交通手段は移動する前にいろいろな方法を考える。

 

リスクを予測し、それについての対応を考える際には、新QC七つ道具の一つであるプロセス決定計画図[P(Process)D(Decision)P(Program)C(Chart)]を活用すると効果的です。

 

 

PDPCとは、目標達成のための実施計画が,想定されるリスクを回避して目標に至るまでのプロセスをフロー化した図であり、事態の進展とともに,各種の結果が想定される問題について、望ましい結果に至るプロセスを決めるために用いられるものです。

具体的には,問題の最終的な解決までの一連の手段を表し,予想される障害を事前に想定し,適切な対策を講じる場合に用いられます。

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