超ISO企業研究会

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メルマガ① 真・品質経営

概念編 第12回 システム化とは(2015-08-10)

2015.08.10

 

概念編第1回のメルマガ内で,真・品質経営の実践で理解していただきたい5つの重要概念,

 

すなわち

 

(1)顧客価値

(2)組織能力・特徴

(3)事業シナリオ

(4)システム化

(5)変化への対応

 

の5つを解説すると申し上げました.

 

 

前回までに既に(3)事業シナリオまで説明しましたので,(4)システム化の話に移りたいと思います.

今回はまずシステム化とは何かについて解説します.

 

 

 

システム(Systematization)化とは,

 

 

「いつでも,どこでも競争上重要となる組織能力を100%発揮できるようにすること」

 

 

です.

つまり,システム化をする対象は“組織能力”となります.

 

 

そしてこの組織能力は,どのような能力・特徴を用いて誰にどのような価値をどう届けるかという自社の事業シナリオの中に記載されています.

 

既に説明しましたように,事業シナリオとは事業をどう成功に導いていくかの筋書であり,経営者の想い・意図がいっぱい詰まっているものです.

 

しかし,あくまでも想い・意図であって,当然それだけでは現実的に実現できません.

それを実現するための一貫した行動(組織的な活動)が必要です.

 

 

そしてその行動(組織的活動)を規定し定めたものがQMS(Quality Management System)であると,我々は考えています.

 

 

 

つまり,経営者の想い・意図という夢(目標)を叶えるために,現実的な活動であるQMSに落とし込むこと,これがシステム化の目的なのです.

 

 

 

 

以前に,顧客価値,組織能力・特徴,そしてQMSの間には

 

顧客価値              ←          組織能力・特徴   ←          QMS

 

という関係がある,と解説しました.

 

 

これは,QMSの直接的な目的は,組織能力を確実に発揮できることであり,組織能力・特徴を発揮した結果として,ターゲットとしているお客様に顧客価値を提供できるようになる,という関係ですね.

 

左側部分の顧客価値,組織能力・特徴,及びその間の矢印は事業シナリオ内で決定されます.一方で,右側部分の組織能力・特徴,QMS及びその間の矢印がシステム化で実現されるところになります.

 

これを“QMS側”から説明しましょう.

 

 

 

QMSを構築することによってその会社組織の全員が一貫性のある体系的な行動・活動を行えるようになります.

 

その一貫した行動・活動によって,競争上重要となる組織能力が発揮されます.

単に組織能力が発揮されるのではありません.

一貫した行動・活動であるために,余計なムダが削がれ効率的になり,これまで以上の能力,つまり潜在能力を含めて100%の能力を発揮できるようになります.(これが,システム化の第1の目的)

 

また,一貫した行動・活動であるために,地理的に離れた場所にある各事業所・店舗・工場間で発揮できる能力レベルに大きな差異はありません.

逆に言えば,ある事業所・店舗・工場は素晴らしい能力を発揮できるが,別のところではその能力が不足している,

という事態を避けることができます.(これが,システム化の第2の目的)

 

 

 

これにより,全国各地にいるどのような顧客に対しても同様な顧客価値を提供できるようになり,結果として顧客からの会社としての信頼を獲得できるようになります.

つまり,当初描いた事業シナリオが実現し,成功に向けて一歩一歩,前に歩んでいることになるのです.

 

最後に,繰り返しになりますが,システム化の本質は“夢(目標)や想いを(それを叶えるために)行動に落とし込むこと”にあるのです.

 

 

 

次回は,夢(目標)や想いを叶える行動としてのQMSの中身について,詳細を見ていきたいと思います.

(金子雅明)

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