超ISO企業研究会

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  11.製品実現計画(品質計画書)作成のポイント
発展表  製品実現へ
製品実現とは、製造業の場合は、「設計・開発、製造、検査、納入、サービス」の一連のプロセスを指しています。サービス業の場合は、設計・開発は別として、それ以降の製造、検査、納入、サービスが同時並行的に行われることが一般的でしょう。


(1) 製品実現の計画
「製品実現の計画」とは、実際に製品を作り出し、顧客に提供するための一連のプロセスを通じての「品質計画」のことであり、そのアウトプットとしては、「組織の計画の実行に適した様式」であるとされています。この「組織の計画の実行に適した様式」とは、例えば製造プロセスの全体を明確にした業務フロー(品質保証体系図)、QC工程表、作業指示書等が該当します。このような「品質計画」は、製品実現以外のプロセスと整合しており、規格要求事項7.1のa)~d)や、発展表に示したe)(組織の連携/役割の明記)とf)(量・納期を考慮)を網羅する必要があります。
付図17-1 QC工程表の作り方


(2) 品質計画書
製品実現の計画のための文書の一つとして、(規格要求事項7.1の参考1にある)「品質計画書」があります。この「品質計画書」は、特定の製品、プロジェクト、又は契約を実現するにあたって必要とされるプロセス・資源を規定するもので、次のような製品等を対象に作るといいと考えられます。
  • 新製品
  • 品質問題の多い製品
  • 向け先・用途の関係で特別な管理をしなければならない製品
  • 特に顧客から要求された製品
  • 管理方法を大幅に変更した製品

この「品質計画書」のなかでは、その特定製品についての品質目標・要求事項、製造工程、各種標準・規格、異常処置、責任者等を記述しなければなりません。その為の特別な書式を作るより、製品仕様書や品質保証体系図やQC工程表や作業指示書 等を集めてセットにしたものをそれとする場合が多いようです。
このような関係を、図式化した例を以下の図1に示します。


図1 品質計画と品質計画書との関係(概念図)


図1 品質計画と品質計画書との関係(概念図)